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お膳がセットされ、徐々に夕食の準備が整っていく。否応なく高まる期待。何故なら、ここはただの旅館ではない。"料亭"と前置きが付いているのだ!
料亭がどんなものなのかまったくわからない。けれども、とにかく料亭なのだ!
昔、どこかの新人政治家が当選後「料亭に行ってみたい」と発言して問題になったけれど、自分も料亭に行ってみたいというのが正直な気持ち。果たして、どんな至福の時間が待っているのだろう。


テーブルに献立が置かれたら夕ご飯のスタート。一品ずつ配膳されるそうなので、デザートまでは2時間くらいかかるかもしれません。
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食前酒の桜酒に続いて出てきた前菜は、竹で編まれた大きな籠に美しく配置されてやってきました。仲居さんが一つずつお膳に取り分けるスタイルで並んだ7品。春らしくさくら鯛を桜の葉で包んだお寿司や筍と烏賊の木の芽和え。地鶏の黄身焼き、白魚と花山葵などどれもビールが進みます。
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ここで、プランに含まれている日本酒飲み比べセットが登場。福井の黒龍、神奈川の相模灘、静岡の白隠正宗の3種類。それぞれ80mlなのでけっこう酔いそう…。
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お椀は相並と葛を使用したもの。とにかく出汁の良さがよくわかります。
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大きなお皿に大量の氷。オレンジの蓋を開けるとお刺身!
トロと炙った烏賊。鯛の3種類のお刺身はもっと量が多い方が嬉しいのに…と感じた一品。
そして、このタイミングで「失礼いたします」と女将さんが登場。いちい亭では夕飯時に各部屋を女将さんが周り、ご挨拶をされるのだそうです。上品かつ折り目正しい造作の女将さん。こちらがへべれけの状態でなくてよかったと思った瞬間でした。
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揚げ物は金目鯛を米粉で揚げたものと山菜。金目鯛はもちろんだけど、苦手な部類の山菜もエグミがなくて、とっても美味しい!
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勢いがついて日本酒を追加オーダー。黒龍の純米吟醸は1合1500円とちょい高めですが、お花が添えられた器が良い感じです。
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強肴はサーロインステーキと地元、御殿場野菜のサラダ。
とてつもなく柔らかいステーキは間違いなくサシが入っている肉質で、あっという間に口の中でトロけてしまった。サラダも海苔が良い仕事をしています。
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そろそろ終盤。栄螺のつぼ焼きは配膳直前で点火されるという演出付きでちょっとした驚き。
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この後、釜で炊いた筍ごはんがあったのに、飲み過ぎたのか撮影を失念してしまいました…。
デザートはフルーツとレモンゼリー。こちらも大量の氷の上にディスプレイされて登場。接客する仲居さんは最後まで大仕事が続きますね。
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創作系ではなくオーソドックスな懐石料理なので、派手さという意味では少ない。けれども、一つずつの料理が丁寧に作られ、仲居さんの造作や料理の配膳も絶妙。女将さん挨拶も含めて、洗練されているということがどういうものなのか理解できたような気がしました。